イヤイヤ期が過ぎたと思ったら次は反抗期。
今回は4歳前後の反抗期について、また親はどう対応したらよいのかをまとめてみました。
4歳前後の幼児期は科学者と同じ?!
4歳前後の幼児期の子どもはいたずらもするし、常に動きまわっています。
特に男の子はエネルギーがありあまって、じっとしていることが少ないですよね。
好奇心も旺盛で、失敗や疲れもすぐに忘れてしまいます。
動きたい子どもは、自分たちで色々と確認をし、自分の運動能力も確かめながら実験的にやっているのです。
児童精神科医の佐々木正美先生は著書「子どもへの眼差し」の中で、以下のように述べています。
引用:『子どもへのまなざし』 佐々木正美
ピアジェという生物学者、心理学者は、4歳前後の子どもの行動について
『科学の第一線で未知の分野の研究をしている科学者がやっている実験的な行為、すなわち、心理の探究をしている科学者の営みとまったく同じだ』という意味のことをいっているのです。科学者のやっていることをごらんなさい。おなじ条件のもとでおなじ実験をなんどもくり返して、おなじ結論を何回も得たときに、やっと納得するのです。そして、そこにあらたな事実や心理をやっと発見して、その先の研究実験にいくのです。
三歳くらいから四、五歳の子どもの心理というのは、そういうものです。
なんだか納得しませんでしたか?
なんにもないところを何往復もしたり、同じことをなんどもくり返したり。
親の目線からでは「なんでそんなこと何回もやるの?」と思っても、子どもにとっては新鮮、自分の身体の動きを確かめる行為だったんですね。
4歳児の反抗期の特徴と対処法
では、4歳児の反抗期の特徴とはいったいどういうものがあるのか、その対処法を見ていきましょう。
癇癪を起こす→じっくり気持ちを聞いてあげる
4歳児ともなると、自分は今、これをやりたいという意志がはっきりしてきます。
先ほど述べたように、子どもなりに実験をしていることもあるでしょう。
その過程で注意をされたり叱られたり。
やりたいことを中断され、癇癪を起こしたり、むくれたりします。
そんなときにはまずじっくり気持ちを聞いてあげましょう。
それだけでも落ち着いてくる場合もあります。
指示されることを嫌がる→子供の理解力に合わせ、ルールを決める
子どもがやりたがらないことは、まず一緒にやってみる。
4歳児はルールがわかるようになってくる時期。
ルールを守れる、いい子でいたいという自己イメージを持つようになります。
何かをするときに約束やルールを決めるのもいい方法です。
例えばお片付け。
「長い針が6にきたらお片付けしようね」と声をかけてみます。
「うん」
と返事をしたことを守らせるようにすると、
自分で約束したことを守れたという自信にもなります。
乱暴な言葉遣い→冷静に。怒鳴らない
4歳児の反抗期は、言語能力がついてきて乱暴な言葉遣いになることがあります。
乱暴な言葉を聞いて、さらにイライラ。
そんな場合は、怒鳴らず冷静に。
乱暴な言葉はまわりを嫌な気分にさせることを伝えましょう。
まだまだ危険と隣り合わせ!→危険から見守る
体力もつき、能力以上のことを精一杯やろうとします。
常に事故につながる危険と隣り合わせ。
つい、あぶない!やめて!と声をかけたくなりますがそこはこらえて。
先回りをして注意しすぎると、危険回避能力が育たないともいわれています。
あまり構いすぎず、危なっかしいことをしていないか見守ってあげましょう。
子どもだって疲れているのかも?
子どもが困った行動を起こすのは、疲れからくることもあります。
まだまだ4歳前後の子どもたち。
集団生活では大人の想像以上にストレスがかかっています。
また、夜寝る時間が遅いと朝の目覚めが遅くなります。
まだ眠いのに「早く起きて」「早くごはん食べて」と叱られる。
これでは子どももかわいそうですよね。
夜はできるだけ早く寝られるリズムを作ってあげれば、自然と朝早く自分から起きれるようにもなります。
それだけでも「早く早く」と急かさなくてよくなりますね。
反抗期につかれた場合はどうしたらいい?
子育てに真面目になりすぎない
同じ年齢の子に比べ、できないことが多かったり、お友達と仲良く遊べなかったり、外でお行儀よくできなかったり…
家の中のお掃除もきれいに、作った食事も残さず、うがい手洗いはしっかり…
子育てに真面目になりすぎているママほど、
どうしてちゃんとできないの?
きちんとやってほしい
という思いから、子どものことを叱ってしまいがち。
比べてはいけないと頭ではわかっていても、自分の子どもとなるとついイライラしてはいませんか?
叱られている子どもは、また怒ってる、と悲しくなっているかもしれません。
イライラしたときには気持ちのコントロールが難しいこともあるでしょう。
しかし、これは自分の都合で感情的になってるだけなのでは?
と、少しだけ冷静に見直してみるのもいいかもしれません。
まずは自分の精神的余裕を確保
子どもは自分を確立していくため、たえず依存と反抗をくり返していきます。
あまりに依存されると重くなる。
かといって反抗されるとイライラ。
親である自分の方が暴言を吐いて反省したり。
子どもが反抗するのは、親を信頼しているからこそ。
分かってはいても、自分が疲れていると受け止めるだけの余裕は持てませんよね。
家族に協力してもらいましょう。
幼稚園に行っている間にしっかりひとり時間を確保しましょう。
家事は明日にして、たっぷり寝ましょう。
子育てのグチを言い合えるママ友も大切に
同い年の子を持つママ同士、分かり合えることもたくさん。
その一方で、ママ友との付き合いが面倒、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしママ友との付き合いは、子どもが成長し、進学、引っ越しなどで状況が変われば自然と薄れていくことも。
子どもたちも自分たちでお友達の家に遊びにいくようになり、ママ同士が関わることも少なくなるのではないでしょうか。
今のこの時期だからこそ分かり合え、それぞれの悩みに共感できるはず。
4歳児の反抗期は、人生の中の数年間
子どもの成熟や発達は、依存と反抗をくり返しながら、らせん階段をのぼるように進展していくもの。
反抗期は、子どもが急速に成長発達をするときだといわれています。
安心できる相手だからこそ、自分のいいたいことを言ったりやったりしたがるのです。
その機会を奪われると自分というものが育ちにくくなります。
引きこもり、拒食症、家庭的暴力などの情緒障害的な問題が出てくることもある、といわれています。
親から得られるものを充分にもらった子どもは、安心して社会的集団の中に溶け込んでいくのです。
このままでいいんだ、という安心感を持つということは、自信にもつながるでしょう。
親から離れてお友達と遊ぶようになるまで、あと数年。
反抗するのは人生の中のわずかな期間。
自分のケアもしつつ、今こうして成長してるんだと見守ってあげたいですね。
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